この辺りが、非常に面倒。そもそもヘーゲルの哲学自体が全体主義的な傾向を持つことに加え、最近の文献の精査によってその著作と言われるもののほとんどが、ヘーゲル自身が書いたものではないか、書いたものでものちに相当に手を加えられている、という指摘もある。
小林秀雄さんは、自由の問題で、例えば、江戸時代のような身分制度のある時代においても、精神の自由というものは存在したのであって、何を自由というか、というそもそものところから問題視されている。
ベルクソンの本を読んでいると、社会の進歩とは、多くの人が前の時代の制度に戻りたくないという点に注目しているようだ。
現代の日本人の大多数は明治憲法時代の政治制度に戻りたいとは思わないだろう。しかし、伝統と社会の優劣論(個人的にはどちらかというと、くだらない議論だと思うのだが)などの問題があって、天皇主権国家についてはどうしても現代においても考えざるを得ない一つの課題となっている。
もう一つ、日本は明治維新以後も、ほとんどの戦争に勝って来た。日清、日露戦争も始まる前、誰もが負けるだろうと思うような無謀とも言える戦争だった。それに勝ってきたのであるから、昭和の戦争も勝たなければならなかった。負けたのは言い訳であるとすらいえるだろうし、ただいちどの負けが取り返しのつかない大敗だったとも言える。
いろんな面倒な問題がここには存在していて、ファシズムが民主主義よりいいと思われてた時代もあったと思われるし、共産主義もそうだろう。社会主義は現代でもその信奉者(インテリ)は絶えない。
単純に天皇主権国家が悪いというのではなく、哲学的優越論を交えた歴史的背景なども考慮して、日本人が考え続けていかなければならない課題である。
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